【2024春】CesariniSforza社訪問

トレントで訪れた象徴的な2つの生産者の物語。
  - イタリア訪問記 2024.4

【1】チェザリーニ・スフォルツァ社

 トレントDOCを代表する同社は、現在ビアンコロッソでお馴染み、300名が加盟する協同組合チェンブラの谷(一部LaVis)のシャルドネで造る、チェンブラの地を代表するスプマンテの生産者。

 Spumante base(=一次発酵をしたスプマンテのベースになるワイン)まではチェンブラ社の醸造所で行われ、その後チェザリーニ社で二次発酵から瓶内熟成、スボッカトゥーラ(澱を抜く作業)を行い完成する。

    

 チェンブラの谷は、斑岩石と呼ばれる鉄分豊富な赤い地質が何よりの特徴で、標高の高さ(450-1000m)に加え、この土壌が高い酸とミネラル、ボディを生み出すのだ。
 ヨーロッパの中でもっとも標高が高い3つの醸造所のうちのひとつでもある。

 トレントDOCは70年代から続く高い組織力が圧倒的と言えます。700世帯にも上るブドウ農家と、一部のスペシャリストの高度な最新技術…
その背景には言うまでもなく歴史と文化、そして醸造大学があり、イタリアでもいち早くテロワール解析を行った。そして70年代にはこの地に最もふさわしいブドウが選ばれ、これまで栽培されてきた。
 もちろんリサーチは現在進行形で、温暖化により今では標高1000mまで畑が広がっている。

    Andrea Buccella氏

 チェザリーニ・スフォルツァの醸造長は、フランチャコルタでも経験を積んだAndrea Buccella氏
 このブランドの特徴は、秀麗なエレガントさ切れ味のある酸デリケートな泡、そして親しみやすい味わい

 日本未入荷の3種のミレジマートはさらに熟成期間が長く、存在感とそれぞれの個性が生きた味わい。因みにここでは、シャルドネと一部のピノを使用。

 改めて、トレントの協同組合とトレントの凄みを感じる訪問となった。